全ての話が終わってからのパラレル
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MAKUBEXと朔羅は、太陽が昇るのと同時に家を出た。十兵衛に頼んで花月・士度・柾にも連絡を入れてある。彼らのことだから、速攻で自分たちの家で銀次の帰りを待つだろう。10時になったらHONKY TONKにも連絡を入れることにしてある。無限城に関わっていてもいなくても、銀次を知っている者は少なくないのだ。
くねくねとした道を通り、無限城ロウアータウンへの入り口を抜ける。全く変わらない。変わったところと言えば…あの余りある「陽」の気が少し薄れ、強烈すぎた「陽」が発する「闇」が薄れたことだろうか。
これからどうなるのか、そして自分たちはどうすれば良いのか。
恐らく、銀次が全てを握っているのだろう。…いや。
銀次が全てを握っている。ただ本人が分かっていないだけで。
ついでに本人は自分がいる場所もうまく説明できなかった。
どうにか聞き出して、IL奪還作戦の時、自分がいた場所と突き止めた時には、夜中という時間ではなかった。
「銀次さん!」
地下に入った所で声をあげる。何となく、無限城の中では彼に通じないはずがないと思ったからだ。
「銀次さん!」
ガコン
いきなり、近くにあったドアが開いた。やはり銀次に通じたのだと確信する。ドアの中は階段だ。
二人で、朝の静けさの中、階段を降りる。明かりがついているので視界はクリアーだ。
バタン
またドアが開いた。そこは廊下が続いている。明かりは一つの方向へとついている。できる限りのナビゲーションをしているつもりらしい。
「銀次さんらしいや。」と笑うと、朔羅もクスリと笑った。
二人で歩いていくと、やがて大きな扉の前へと出た。
「銀次さん!来ましたよ!」
この奥で、自分はILを作った。それからの時間があまりにも濃く、ずっと昔のように思えてしまう。
『MAKUBEX?』
どこかにあるスピーカーから聞こえる声。間違いなく、銀次そのもので。
知らず、息が漏れた。
『MAKUBEX、朔羅も来てくれた?』
「はい。雷帝。」
隣にいた朔羅が答える。
『ま、MAKUBEX、あの、さ。わ…わるいんだけど、ね。』
朔羅だけ、入ってきてほしい。と銀次は言った。その言葉に二人は顔を見合わせる。
「どうしてですか?」
『ま、MAKUBEXには見せるのは…ちょっと………』
「はぁ?」
仰角45度に首が曲がった。まるで分からない。
「とりあえずMAKUBEX、私、行ってきます。」
「…うん。わかった。何かあったらすぐに呼んで。」
自分も無限城の頭脳と呼ばれた身だ。どうにかできる。はず。
「雷帝、入ります。」
ギギッとその声に反応するようにドアが開き、人一人分のそれを確保する。
「では。」
朔羅はMAKUBEXに一礼すると、中へと入っていった。
中は真っ暗だった。
「雷帝?」
確かに気配はある。何故彼は明かりをつけないのだろう。
「雷帝…?」
「朔羅?」
少し遠くで小さな声があがった。
「はい!そうです!」
その声があまりにも…弱くて、離さないように声をあげる。
「良かった……困ってたんだ。」
少し高めで…半泣きの声。
ぽっとそこに明かりがつく。朔羅は小走りにそこへと向かう。
銀次ははたしてそこにいた。
「わーん!朔羅だぁ!久しぶり!」
とりあえず、「いつもの」Tシャツを着ていた。だぶだぶだが。
「ら…らい、てい?」
朔羅は珍しく困惑した。首が細くなり、なだらかで丸みを帯びた体つき。…そして、Tシャツを押し上げている二つの膨らみ。
「……おなかいたくて、下から血が出てきたんだ。」
とりあえずシーツを調達して、座ってたんだけど。と言った銀次は………
「…赤飯ですね。」
だからMAKUBEXを呼ばずに自分を呼んだのか、と朔羅はようやく理解した。
「ズボンがサイズが合わなくて、困ったんだ。」
「ら、雷帝、ズボンに血が付きますから、まずそのシーツを破いてたたんで…そこにあててください。」
主従関係というより、何も知らない小学生に教える保健室の先生レベルまで落ちた。
「あ、はい!」
銀次も分からず言われるがままに作業する。
「ズボンのベルト代わりに、シーツを細く破いて結びましょう。上は絶対にジッパーをおろさないでくださいね?」
「うん。わぁ!朔羅、頭いい!」
やっぱ朔羅に来てもらってよかったぁ。と銀次はほっとしていた。反対に朔羅はどうしましょうと困っていた。
とりあえず、このドアを開けて待っているMAKUBEXには違う方向を向いてもらうことにしましょう。服とか…。
………………………………………
………花月と相談しよう。
「雷帝、MAKUBEXが待っていますから、行きましょう。」
「うん。大丈夫?これで。」
「MAKUBEXに頼んで応援を求めるかもしれませんが、とりあえず大丈夫です。」
少年一人に女性「二人」というのは、かなり難しいかしら?とちょっと思いつつも、朔羅は銀次の手を握って、歩き出した。
「ま、MAKUBEX、びっくりするかなぁ?」
「まずは生きていることに大喜びすると思いますよ?」
あまりにも不安げに言う銀次に朔羅は苦笑しながら答えた。
その後はその姿になったと気づいて、顔を真っ赤にして花月に電話すると思いますけど。
ギギギ…とドアが開いた。
くねくねとした道を通り、無限城ロウアータウンへの入り口を抜ける。全く変わらない。変わったところと言えば…あの余りある「陽」の気が少し薄れ、強烈すぎた「陽」が発する「闇」が薄れたことだろうか。
これからどうなるのか、そして自分たちはどうすれば良いのか。
恐らく、銀次が全てを握っているのだろう。…いや。
銀次が全てを握っている。ただ本人が分かっていないだけで。
ついでに本人は自分がいる場所もうまく説明できなかった。
どうにか聞き出して、IL奪還作戦の時、自分がいた場所と突き止めた時には、夜中という時間ではなかった。
「銀次さん!」
地下に入った所で声をあげる。何となく、無限城の中では彼に通じないはずがないと思ったからだ。
「銀次さん!」
ガコン
いきなり、近くにあったドアが開いた。やはり銀次に通じたのだと確信する。ドアの中は階段だ。
二人で、朝の静けさの中、階段を降りる。明かりがついているので視界はクリアーだ。
バタン
またドアが開いた。そこは廊下が続いている。明かりは一つの方向へとついている。できる限りのナビゲーションをしているつもりらしい。
「銀次さんらしいや。」と笑うと、朔羅もクスリと笑った。
二人で歩いていくと、やがて大きな扉の前へと出た。
「銀次さん!来ましたよ!」
この奥で、自分はILを作った。それからの時間があまりにも濃く、ずっと昔のように思えてしまう。
『MAKUBEX?』
どこかにあるスピーカーから聞こえる声。間違いなく、銀次そのもので。
知らず、息が漏れた。
『MAKUBEX、朔羅も来てくれた?』
「はい。雷帝。」
隣にいた朔羅が答える。
『ま、MAKUBEX、あの、さ。わ…わるいんだけど、ね。』
朔羅だけ、入ってきてほしい。と銀次は言った。その言葉に二人は顔を見合わせる。
「どうしてですか?」
『ま、MAKUBEXには見せるのは…ちょっと………』
「はぁ?」
仰角45度に首が曲がった。まるで分からない。
「とりあえずMAKUBEX、私、行ってきます。」
「…うん。わかった。何かあったらすぐに呼んで。」
自分も無限城の頭脳と呼ばれた身だ。どうにかできる。はず。
「雷帝、入ります。」
ギギッとその声に反応するようにドアが開き、人一人分のそれを確保する。
「では。」
朔羅はMAKUBEXに一礼すると、中へと入っていった。
中は真っ暗だった。
「雷帝?」
確かに気配はある。何故彼は明かりをつけないのだろう。
「雷帝…?」
「朔羅?」
少し遠くで小さな声があがった。
「はい!そうです!」
その声があまりにも…弱くて、離さないように声をあげる。
「良かった……困ってたんだ。」
少し高めで…半泣きの声。
ぽっとそこに明かりがつく。朔羅は小走りにそこへと向かう。
銀次ははたしてそこにいた。
「わーん!朔羅だぁ!久しぶり!」
とりあえず、「いつもの」Tシャツを着ていた。だぶだぶだが。
「ら…らい、てい?」
朔羅は珍しく困惑した。首が細くなり、なだらかで丸みを帯びた体つき。…そして、Tシャツを押し上げている二つの膨らみ。
「……おなかいたくて、下から血が出てきたんだ。」
とりあえずシーツを調達して、座ってたんだけど。と言った銀次は………
「…赤飯ですね。」
だからMAKUBEXを呼ばずに自分を呼んだのか、と朔羅はようやく理解した。
「ズボンがサイズが合わなくて、困ったんだ。」
「ら、雷帝、ズボンに血が付きますから、まずそのシーツを破いてたたんで…そこにあててください。」
主従関係というより、何も知らない小学生に教える保健室の先生レベルまで落ちた。
「あ、はい!」
銀次も分からず言われるがままに作業する。
「ズボンのベルト代わりに、シーツを細く破いて結びましょう。上は絶対にジッパーをおろさないでくださいね?」
「うん。わぁ!朔羅、頭いい!」
やっぱ朔羅に来てもらってよかったぁ。と銀次はほっとしていた。反対に朔羅はどうしましょうと困っていた。
とりあえず、このドアを開けて待っているMAKUBEXには違う方向を向いてもらうことにしましょう。服とか…。
………………………………………
………花月と相談しよう。
「雷帝、MAKUBEXが待っていますから、行きましょう。」
「うん。大丈夫?これで。」
「MAKUBEXに頼んで応援を求めるかもしれませんが、とりあえず大丈夫です。」
少年一人に女性「二人」というのは、かなり難しいかしら?とちょっと思いつつも、朔羅は銀次の手を握って、歩き出した。
「ま、MAKUBEX、びっくりするかなぁ?」
「まずは生きていることに大喜びすると思いますよ?」
あまりにも不安げに言う銀次に朔羅は苦笑しながら答えた。
その後はその姿になったと気づいて、顔を真っ赤にして花月に電話すると思いますけど。
ギギギ…とドアが開いた。
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